『とんがり帽子のアトリエ』や『魔法陣グルグル』など、主人公が魔法陣を使って魔術を行う漫画やアニメは今も昔も高い人気があるようです。それらの作品を見て、自分も魔法陣を描けるようになりたいと思ったことはありませんか?
そこで今回は魔法使いを目指す方のために、基礎的な魔法陣の描き方についてお話します。
目次
魔法陣とは何か? 魔法陣の持つふたつの効果
魔法陣の描き方をご説明する前に、まずはそもそも魔法陣とは何か、その効果はどんなものなのかお話しましょう。
魔法陣(魔法円)とは各種の魔術を行う際、魔法使いが儀式の一環として地上に描く模様のことで、特に召喚魔術においては必需品となっています。
魔法陣には大きく分けてふたつの効果があります。
ひとつめは、悪魔を召喚する術者が魔法陣の中に入ることで、悪魔から身を守ることができるということ。そしてもうひとつは、魔法陣の内部に悪魔を出現させ、閉じ込めておくことができるということです。
どちらの場合でも、魔法陣は正確に描かなくてはなりません。悪魔は正しく作成された魔法陣の中には入れませんが、もし一部でも間違っていたり薄くなっているところがあると防御の効果がなくなり、術者をつかまえて引き裂いてしまうのです。
また、魔法陣を描く際は魔法陣の外に出ないよう気を付けなくてはいけません。もし指1本でも外に出てしまうと、たちどころに悪魔に身体を引き裂かれてしまうからです。
魔法陣には様々な形のものがありますが、多くの場合、二重の円を基本としています。
円には古代から特別な意味がありました。たとえばヨーロッパには、病人や妊産婦のまわりに円を描くことで悪霊からその身を守るという習慣が存在しています。
また、マンドラゴラ(引き抜くと恐ろしい悲鳴をあげるという植物。その悲鳴を聞いた人間は発狂して死んでしまうといわれています)を掘り出す際には、マンドラゴラのまわりに三重の円を描かなければならないという言い伝えも残されています。
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魔法陣の基本的な描き方~よく使われるシンボル~
それではいよいよ、魔法陣の描き方の基本についてお話しましょう。
魔法陣を描く時には、聖別されたナイフやペン、石などを用います。魔法陣は床や地面に直接描かれることが多いですが、時には子牛の皮などに描かれる場合もあります。
魔法陣の基本が二重の円だということは前項でもお話しました。
魔法陣はこの二重の円の他に、五芒星や六芒星、三角などの図形を加え作成されます。よく使われるシンボルをいくつかご紹介しましょう。
・五芒星……一筆書きで描かれる星マークで、悪魔から身を守る効果があります。逆にすると悪魔を示すともいわれています。
・六芒星……三角形と逆三角形を組み合わせた図形で、別名ダビデの星とも呼ばれる悪魔の象徴です。
・12星座のシンボル……西洋占星術で使われる12星座の記号です。雑誌の占いページなどで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
・惑星記号……こちらも西洋占星術で使われる、太陽系の惑星を表す記号です。
・四代元素のシンボル……基本エレメントである四代元素(火、風、地、水)の象徴で、三角形や逆三角形を基本としています。四代天使を表す場合もありました。
この他、魔法陣にはヘブライ語やラテン語、ギリシア語などで特別な文字が描かれることもよくあります。アドナイ、テトラグラマトンといった神と関係のある文字が多く、アドナイは「主」、テトラグラマトンは唯一神ヤハウェ(YHWH)を表す神聖な4文字を意味しています。
『ソロモン王の小さな鍵』(別名『レメゲトン』)という有名な魔導書には、術者がその中に入る魔法陣の他に、悪魔が出現するという魔法の三角形も掲載されています。図形の大きさや文字の色、配置する方角まで詳細に記されていますので、あとはそれに従って作ればいいというわけです。
またエノク魔術では、物理的に魔法陣を描くことができない場合、心の中で描くことでも効果を得られるとしています。ただしその場合、心の中にはっきりと円や三角形が見えるくらい強く念じなければなりません。
魔法陣の描き方の基本はマスターできたでしょうか? 目的に合わせた魔法陣を描けるようになって、あなたも立派な魔法使いを目指しましょう!
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