ビクトリア朝の人々の生活 ~食事編~


『シャーロック・ホームズの冒険』や『ダウントン・アビー』など、テレビドラマの名作にはビクトリア朝時代のイギリスが舞台になっているものが多くあります。

ドラマを見ていて、当時の人々の実際の生活はどんな風だったのか気になったことはありませんか? ドラマとどこまで同じなのでしょうか?


今回は、ビクトリア朝時代の食事についてご紹介します。

ビクトリア朝の生活①階級でかなり差があった食事


ビクトリア朝の食事というと、豪勢なものを食べていたのではというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実際は階級によってかなり異なっていたようです。


まずは上流階級の食事からご紹介しましょう。


当時のイギリスでは肉が主食でしたが、上流階級の食卓には牛肉や豚肉、羊肉といった家畜の肉はもちろん、雉や雷鳥といった狩りの獲物など様々な種類の肉が調理され並べられていました。

特に海亀の肉最高級品とされ、パーティーで海亀の肉料理を提供することは、富と名誉の象徴だったといいます。


上流階級の食卓にはこうした肉類以外にも、鮭や鱈などの魚介類、お屋敷で採れた野菜類、新鮮な果物などが並んでいました。パンは通常お屋敷内で焼かれていましたが、時代が下るにつれ業者に注文するようになります。


飲み物にはワインやビールなどのアルコール類、紅茶、コーヒー、牛乳などがありました。

デザート類も種類豊富に作られるようになり、色とりどりのスイーツが食卓に並べられるなど、上流家庭の食事は非常に豊かなものだったといえます。

続いて庶民の食事をご紹介しましょう。


ひとくちに庶民といっても、定職を持ちある程度の稼ぎがある者から、その日の食事にも困る者まで様々です。こうした庶民たちの暮らしのレベルをはかるバロメーターのひとつがベーコンでした。


当時、加工されていない肉類を食べることができたのは庶民の中でもほんのわずかの者だけでした。次いで裕福だったのはベーコンなどの加工肉を手に入れられた人々です。貧しい家庭になるにつれて、ベーコンよりもパンやジャガイモ、豆のスープ、屑肉のプディングなどを食べる機会が増えるようになり、ベーコンが買えない生活はどん詰まりとされていました。


肉類以外によく食べられていたのは、ジャガイモなどの根菜類、安価な豆や野菜類、パン屋で売られているパンなどです。漁港が近い地域では、安くて栄養のある牡蠣や鰻、ニシンなども庶民の強い味方となりました。


飲み物はジンなどの安いアルコール類が中心でした。他に出涸らしの紅茶もよく飲まれています。


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