クトゥルフ神話の「父なるダゴン」ってどんな神?


H・P・ラヴクラフトの小説『ダゴン』・『インスマウスの影』などにその名が登場する、クトゥルフ神話の海神ダゴン。

今回は「ダゴンってなに?」という方のために、クトゥルフ神話の中でも重要な神ダゴンについてご紹介しましょう。

TOP画像は、日本のとある地域で「だごん様」と呼ばれ崇拝されている奇妙な神像だよ。

目次

クトゥルフ神話の「父なるダゴン」とは?


・全ての「深きものども」の父祖であり長老
・巨大な体に水かきのついた手足を持つ、魚人のような姿をしている
・「母なるハイドラ」とともに、大いなるクトゥルフが復活する日を早めるための活動を行っている


クトゥルフ神話に登場する「父なるダゴン」は、全ての「深きものども」(別名「ディープ・ワンズ」。半人半魚の種族)たちの父祖であり、長い年月をかけて巨大な体躯に成長した「深きものども」の長老です。

巨大な体に水かきのついた手足を持ち、魚人のような姿をしているといわれています。

ダゴンの妻は「母なるハイドラ」という女神で、ダゴンとよく似た姿をしています。

ダゴンとハイドラは、彼らの子孫である「深きものども」に崇拝され、大いなるクトゥルフに祈りを捧げながら、その復活を早めるための活動に取り組んでいました。


シュメール人が崇拝した海神オアンネス


ダゴンはクトゥルフ神話に登場するだけでなく、人類の歴史の中でシュメール人やペリシテ人たちが崇拝した神でもあります。シュメール人やペリシテ人が信仰した「オアンネス」は、クトゥルフ神話の「父なるダゴン」と同じ存在なのでしょうか?

【シュメール人が信仰した海神オアンネス】

・ダゴンと同一の神性と考えられている存在
・魚に飲み込まれかけた人のような、奇怪な姿をしている
・シュメールの人々に文学や建築、科学などを伝授した


オアンネスは魚に飲みこまれかけた人のような、奇怪な姿をしている生物です。

シュメール人たちの伝説によると、オアンネスはある日突然海から現れ、人々に文学や科学、建築、数学など様々な知恵を授けたといわれています。


ペリシテ人が信仰した神ダゴン


後の時代になるとオアンネスは「ダゴン」と呼ばれるようになり、旧約聖書にもその姿が描かれることとなりました。

【ペリシテ人が信仰した神ダゴン】

・上半身が人間、下半身が魚の人魚のような姿をしている
・旧約聖書のサムエル記や士師記にもその名が登場する


ペリシテ人たちが信仰したダゴンは、上半身が人間、下半身が魚という、まるで人魚のような姿をしています。


旧約聖書のサムエル記には、ダゴンにまつわる次のようなエピソードが記されています。

ある時イスラエル人との戦いに勝利したペリシテ人たちは、イスラエルから「契約の箱」を奪い、アシトドにあるダゴンの神殿に奉納しました。

ところが翌朝になると、ダゴンの神像は「契約の箱」の前に倒れているではありませんか。人々は驚き、ダゴンの神像を元の場所に据え直しました。
しかし翌朝、ダゴンの神像はまたしても倒れた姿で発見されます。しかもその頭と両腕は切り離され、胴体だけが転がっていたのです。

ペリシテ人たちは恐れおののき、イスラエルに「契約の箱」を返したということです。

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