パワーストーンが命を救う? ターコイズにまつわる3つの物語

パワーストーン_ターコイズ

ターコイズはトルコ石とも呼ばれ、古くから世界各地で珍重されてきました。そのため、ターコイズの神秘性に関する解釈も、地域や民族により様々です。
例えば、ターコイズが旅のお守りとして効力を発揮するといわれていることはご存知でしたか?
『パワーストーン』(草野巧 著)では、生涯二度もターコイズによって救われた人物の逸話が紹介されているほか、アメリカ・インディアンの部族やトルテカ文明・アステカ文明で神聖視されてきたターコイズの神話や伝説について知ることができます。 

目次


無限の時を生きる「トルコ石乙女(ターコイズ・ウーマン)」

アメリカ南西部に住むナバホ・インディアンの神話では、ナバホ族の偉大な四氏族は、“トルコ石乙女(ターコイズ・ウーマン)”という女神によって創られたとされているが、このトルコ石乙女はトルコ石から生まれてきたといわれている。『パワーストーン』p.76
ナバホ族の神話では、ナバホ族を創った女神であるトルコ石乙女が、ターコイズから生まれたことになっています。また、トルコ石乙女は、地母神や時の女神として考えられることもありました。
トルコ石乙女は無限の時間のなかを生き続け、時の経過や植物の成長を司(つかさど)ることになるのだ。このような霊力は当然のようにトルコ石のなかにも宿っていると考えられている。『パワーストーン』p.78
アパッチ族の伝説によると、トルコ石乙女は、植物の成長のように老いては若返るというサイクルを無限に繰り返しているとされます。自然の大いなる循環性を思わせるその霊力は、ターコイズにも宿っていると考えられていました。
ナバホ族と同じ地域に住むプエブロ・インディアンの考えでは、明るい青色のトルコ石は「空」の象徴であるが、空の青は水の青に通じることから「天の水」の象徴ともされる。また、トルコ石の青はトウモロコシの象徴でもある。古代ギリシア人がそうだったように、伝統的な社会では緑と青はしばしば同一視されるからだ。『パワーストーン』p.78
ターコイズの青から想像できることは、何もひとつとは限りません。 書籍の例では、「空」「天の水」そして「トウモロコシ」です。彼らアメリカ・インディアンが、いかに想像力を巡らせていたかがわかります。 その青に魅了された古代人は、ターコイズから様々なものを連想し、その効力を分析しようとしていたのかもしれません。

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ターコイズが火の象徴に? 「トルコ石の王」とは

では、トルコ石の青からなにが想像できるだろう。かつてメキシコ中央部に繁栄したアステカ人やトルテカ人は、それを火の色だと考えた。炎の中央部はしばしば青い色をしているからだという。こうして、彼らは火の神に“シウテクートリ(トルコ石の王)”という名を与えたのである。『パワーストーン』p.78
ターコイズの青から色々な意味を類推し、それらに基づいた効力があると信じていたのは、アメリカ・インディアンだけではありません。メキシコを支配していたトルテカ文明やアステカ文明では、ターコイズから炎の中心部の青を連想し、火の神にトルコ石の王という名をつけ、その加護を得ようとしました。
そして彼らの想像力は、さらに飛躍していきます。
だが、青から連想されるのはもちろん火ばかりではない。青は木々の緑とも通じ、若さの象徴となる。そこで、シウテクートリはトルコ石乙女と同じように永遠に若々しい神であり、時の神だとも考えられた。また、年寄りの戦士などいないから、若さは戦士の象徴ともなる。ゆえに、トルコ石の王シウテクートリは戦士の神とも考えられたのである。とすれば、トルコ石が戦士の石となるのも当然である。『パワーストーン』p.78~79
ターコイズの青さから若さを連想したトルテカ人やアステカ人は、そこから戦士を象徴していると考えました。なんともユニークな視点です。
彼らが戦いに赴くとき、ターコイズを見つめ、勇気を得ていたのかもしれません。 ターコイズを若い戦神の化身とする解釈は、現代の私たちがパワーストーンとして何らかの効果を期待したい時に思い出すと良いかもしれません。
戦士の象徴とされていることから、スポーツなどの大事な試合の前に勝利を祈ってみるのも面白いですね。トルテカ人やアステカ人のように、ターコイズから得られるインスピレーションを大事にしていきたいものです。

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生涯二度ターコイズに救われた男、デ・ブートの伝承

ヨーロッパにもトルコ石の伝承は多いが、特に中世の時代には、危険が迫ると色合いを変えて持ち主に知らせてくれる石と考えられ、落馬を防ぎ、馬のケガを防ぐお守りとして盛んに利用された。『パワーストーン』p.79
世界各地で神聖視されていたターコイズですが、ヨーロッパには13世紀、十字軍以降に広まりました。
主にペルシャで採掘されたものが、トルコ商人の手によってヨーロッパに流通していたため、トルコ石とも呼ばれるようになったのです。 特に中世のヨーロッパでは、ターコイズは持ち主の危機を防いでくれるお守りとして利用されていました。
日光などによって変色しやすいターコイズの性質が、危険がせまった際の色の変化だと考えられたのでしょう。
また、トルコ石は男が身に付けるものとされていて、贈り物として贈られた場合にその効力が最大になるのだという。
 不思議なことに、このようなことが現実に起こり、命を救われたという本人による記録も残されている。その本人というのは、17世紀にハプスブルク家のルドルフ2世の侍医を務めていたアンセルムス・デ・ブートという人物である。『パワーストーン』p.79
ヨーロッパでは男性用のプレゼントとして、ターコイズが珍重されていたことがうかがえます。 お守りとしてのターコイズの効力を伝える逸話として有名なのが、このデ・ブートの記録です。
父からプレゼントされたターコイズが身代わりとなって、落馬事故でも傷一つ負わなかったり、骨折を免れたりしたという話です。 彼は生涯に二度、ターコイズに助けられたことになります。
もちろん、こうした効力を迷信として切り捨てる考えもあるでしょう。ですが、世の中には効力を実感したという人もいるわけですから、ターコイズに神秘性を感じるのも、何らかのご利益があるかもしれないと考えるのも、ごく自然なことなのかもしれません。

現代でも、ドライブのお供や旅行に持っていくと、いざという時に効力を発揮してくれるかもしれません。
贈り物として人からプレゼントされた際にもっとも力を発揮するといわれていますので、大切な家族や恋人にプレゼントしても喜ばれそうですね。

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本書で紹介している明日使える知識

  • 宝石になった美しい乙女/アメシスト
  • 美しき女神たちの悲しみの涙/アンバー
  • 幸運を招く東洋の神秘の石/スター・サファイア
  • ・絶大な魔力を持った海の神秘/パール
  • 黄金と不老不死をもたらす魔法の石/賢者の石
  • etc... 

ライターからひとこと

これまで見てきたように、古くから人々は独自の感性でターコイズの効力、霊力を感じ取ろうとしてきました。もちろん、現代に生きる私達にとっても、ターコイズはさまざまなインスピレーションを与えてくれる存在かもしれません。 ターコイズを見つめてみると、その青から様々なものが感じ取れ、それらが想像力を刺激してくれるはずです。
 本書では、パワーストーンにまつわる興味深い伝説や物語が紹介されています。人類がいかにしてパワーストーンと関わってきたか、どう活用してきたかを知ることで、それぞれのパワーストーンに対する新しい見方が生まれるかもしれません。