髪もネイルも服装も! お洒落な生活を愛したケルト人

ケルト人_服装

ケルト神話は数々の創作物のモチーフになるなど、人気のあるジャンルのひとつです。ですが、このケルト神話を生み出したケルト人の生活については、あまりご存じないという方も多いのではないでしょうか。
『図解 ケルト神話』(池上良太 著)は、ケルト神話の世界に興味をお持ちの方への入門編として、神話の登場人物やエピソードからケルト人の生活まで幅広く丁寧に解説しています。 今回はその中からケルト人のファッションに注目し、特に男性がどのような服装をしていたかについて取り上げてまいります。

目次

ケルト人男性の服装①男性も髪型や化粧に凝っていた

男女ともに髪は長く、三つ編みやカールなど凝った髪型にしていた。 『図解 ケルト神話』p.226
一言で「ケルト人」といっても、彼らは一つの民族ではありません。中央ヨーロッパやブリテン島、アイルランドなどに住んでいた部族のうち、インド=ヨーロッパ語の一つであるケルト語を話す人たちのことを総称して「ケルト人」と呼んでいるのです。

そのためケルト文化圏の人々の容姿はさまざまで、ローマ人の記録などの資料には、金髪や黒髪、赤髪など多種多様な髪色をしたケルト人が描かれています。体格についてもまちまちで、長身だったとする文献や、身体は小さいががっしりとしていたとする記述もあります。

このようにケルト人の外見はさまざまでしたが、一方で彼らには共通点もありました。その一つが髪型です。地域差もあったようですが、髪を長くのばし、きれいに編み込むなど、男性も髪型に凝ることが多かったといいます。また戦士たちは髪を脱色させてから金髪に染め直したり、石灰で固めて逆立てたりすることもあったようです。口髭やあご鬚もまた、身分に合わせてきれいに整えられていました。
現代でも、まるで模様を編むようにして髪の毛を編み込んだ髪型があり、ケルト結び、ノットヘアーなどと呼ばれています。
男女とも化粧が盛んに行われており、爪を染めることもあった。リンドゥ・モスで発見された生贄の男性の爪先には染色の跡が残されていたという。 『図解 ケルト神話』p.226
戦士たちは戦争に行く時も化粧をしていました。カエサルの『ガリア戦記』などの史料によると、顔を青く染めたり、身体に刺青を入れたりして戦場に赴き、敵を威嚇したといいます。

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ケルト人男性の服装②好みの柄はチェックやツィード

鉄器時代以降の男性は長袖のシャツやチュニックを着てブラーカと呼ばれる長ズボンをはいていた。アイルランドではズボンはあまり用いられていなかったという。 『図解 ケルト神話』p.226
ケルト人男性は長袖のシャツやチュニックの上から、サグズと呼ばれるウール製のマントを身に着け、腰には長剣をベルトで吊っていました。マントはブローチなどで固定していました。長ズボンのブラーカは寒い気候から身体を守った他、馬に乗る時などにも役に立ったといいます。
こうした衣服やマント、ブラーカは、タータンチェックやツィードの柄が好まれていたそうです。色合いもまたカラフルで、柄や色の組み合わせはたくさんありました。素材は亜麻やウールでできたものが中心でした。 靴は革のサンダルやブーツを履くことが多く、これは男性も女性も同様でした。
また、戦士たちは戦場でも派手な衣服を身に着けることがあったようです。

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ケルト人男性の服装③トルクは権威の象徴

特に重要なのがトルクと呼ばれる首飾りで、権威の象徴として身分の高い人々や神像の首元を飾った。 『図解 ケルト神話』p.226
ケルト人は装飾品を好んで身に着けていました。トルクと呼ばれる首飾りの他、ブレスレットやアンクレットなど多くの装飾品が彼らの墓などから発掘されています。青銅製のものが多いですが、中には黄金やガラスでできたものもありました。
こうした装飾品は女性だけのものではありませんでした。ケルトの男性戦士たちは戦場にも首飾りやブレスレットをつけていきました。鎧を身に着けることは少なく、裸体や派手な衣服の上にこうした装飾品を身に着けていたとされます。
ケルト神話の中にも数々の装飾品が登場します。クー・ホリンが自分の息子に与えた金の指輪、マビノギオンに登場する美女オルウェンが身に着けていた黄金のトルクなど、装飾品は神話の英雄たちとその物語を美しく彩りました。

このように、ケルト文化圏の人々の容姿はさまざまでしたが、長い髪を凝ったかたちに整えたり、タータンチェックなどのカラフルな柄ものの衣服や装飾品を好んで身に着けたりするといった、いくつかの共通項がありました。 このような傾向は男性も同様で、ケルト文化圏の人々は男性も女性もお洒落に凝ることが好きな人たちだったといえそうです。

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本書で紹介している明日使える知識

  • ケルト神話とは?
  • トゥアハ・デ・ダナンの4つの秘宝
  • ケルト人の食生活
  • ケルト人の娯楽
  • ケルト語とオガム文字
  • etc... 

ライターからひとこと

男性も長い髪を編み込み、カラフルなタータンチェック柄のシャツを着るなど、お洒落に気を遣っていたケルト人。色や柄の組み合わせなど、現代の感覚とは少し違ったお洒落のポイントもあったのかもしれませんね。 本書ではこの他にも、ケルト人の食生活や娯楽などの生活文化を丁寧に解説しています。ケルト神話が好き・興味があるという方はもちろん、ファンタジーを中心に創作活動をしている方にもきっと新しい発見があるのではないでしょうか。資料解説も充実しているので、これからケルト神話を学びたいという方にも本書はおすすめです。